神戸経済の現状と今後~経済成長や雇用状況・所得事情~のヘッダー画像

神戸の商況や経済成長率・市内総生産の動向を見る

神戸の経済は経済成長率と市内総生産から見て、安定して景気の良い状態が続いていると言えます。有効求人倍率は改善し企業の収益も増加し、さらにはDI値の数字を見ても全体的に成長ないし改善していることが窺われます。

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近年の景気の動向

神戸は兵庫県において、経済的な面で最も重要度の高い都市と言えます。
また、全国的にも有名な企業が本社を構えているということでも知られています。

 

そんな神戸について、ここでは特に近年の景気の動向にスポットライトを当ててみたいと思います。

 

経済成長率と市内総生産

 

安定している神戸の景気

景気を知る上で重要になるのは、経済成長率と総生産額です。そこで神戸市におけるこの2つの数字を見てみると、どちらも近年は安定して成長していることが分かります

 

経済成長率はリーマンショックの後を除いてプラス成長を続けていますし、市内総生産も6兆円前後で安定的に推移しています。

 

おそらく、阪神淡路大震災やリーマンショックの様なショックが無い限りは、今後もこうした傾向が続いていくものと思われます。

 

 

直近の景況

 

次に神戸市の直近の景況について見ていきましょう。

 

神戸市では、個人消費、生産活動、雇用情勢、いずれにおいても緩やかに改善してきています。
有効求人倍率は43年ぶりの高水準で推移しており、48か月連続で1倍を越えています
特に新規求人数の増加が著しく、さらに完全失業率も低水準が続いています。

 

製造業においては化学・電気機械などが前年度を上回っており、鉄鋼などが前年度を下回っていますが、全体としては前年度(28年度)よりも上回る結果となっています。

 

これには色々な要因がありますが、設備投資が増えたことが一つの大きな要因となっています。
製造業と同じく、非製造業も前年度を上回っています。

 

中でも大きく伸びたのが電気・ガス・水道、不動産などで、情報通信などが前年度を下回ったのに対してこれらの分野は前年度から大きく改善する結果になりました。

 

そして、これらの背景にあるのが企業収益の増益です。
神戸市の29年度の企業収益は増益を記録しました。

 

製造業では食料品などが減益となる一方で、輸送用機械や生産用機械などが増益となり、非製造業では運輸・郵便・建設などほとんどの業種で増益となりました。

 

住宅建設以外のほとんどの業種で増益となるほどの好調ぶりでした。

 

さらに、神戸市は輸出でも好調な状態にあります。
輸出額は前年度を上回り、またその一方で輸入も前年度を上回っています。

 

さて、ここに挙げた諸々の要素を総合して考えると、神戸の景気は間違いなく「良い」と言うことができます。
そして実際に、景況判断BSIでみると全産業が「上昇」基調となっています。
また先行きについても、30年4~6月期は全産業で「上昇」基調で推移する見通しとなっています。

 

 

DI値で見る神戸の景気

 

DI値とは、企業の業況感や設備、雇用人員の過不足などの各種判断を指数化したもので、この数値を見れば景気の良し悪しをある程度把握することができます

 

そこで神戸市におけるDI値を見てみると、直近(平成30年4~6月期)の全体のDI値はここ数年で最も高い数値となっています。

 

また、前年同期比でも16.8ポイント増となっており、この傾向は来期、さらには来々期以降も続く見通しとなっています。